視点 オピニオン21
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医療法人ラホヤ会道又内科クリニック理事長
 道又 秀夫さん
(高崎市柴崎町 )

【略歴】日本医科大卒。群馬大第一内科に入局後、伊勢崎市民病院、前橋赤十字病院などに勤務。98年1月、国立がんセンター出身の妻、かおるさんとともに開業。アレルギー科・呼吸器科専門医。


セカンドオピニオン


◎最適な治療方法を探る

 セカンドオピニオンという言葉を聞いて、がんに関してのものだと理解している人は少ないと思います。直訳すれば“第二の意見”となりますが、主にがんの診断治療において、主治医以外の医師の診断治療方針を聞くということです。ご存じのようにがんの診断、治療においては、相当な知識と経験が必要であります。がんの治療を行っている医師がすべて十分なものを持っているとは限らず、診断を受けた病院により治療方法はかなり違います。

 そこで、このセカンドオピニオンという制度があります。今まで受けた診断が現在の医療水準から考えて妥当であるか、また治療方針が一般的であるか、もしくは、より高度の治療の可能性があるかどうかについても、意見を述べることです。

 この相談を行っている病院は少なく、代表的な病院としては、国立がんセンターが有名です。国立がんセンターでは、セカンドオピニオンの専門外来を医療相談として開いていて、全国どこからでもがんセンターに資料とともに訪れると、この専門外来を受診できます。しかし、ここで問題になるのは、病院で行った検査等が不十分で再検査が必要になることが多いことです。すなわち、検査の水準ががんセンターの要求するところまで達していないという問題があります。

 また、検査診断をした病院が資料、検査結果を提供しない場合も多く、こちらもがんセンターで再検査ということになり手間がかかります。そこで、理想ではありますが、がんセンターの水準で検査を行える施設で検査し、できれば、がんセンターの方式で検査を行い、がんセンターに紹介してもらえれば、二度三度とがんセンターに通わなくても一度の受診でも以後の治療方針の決定がなされます。そうすることによって、無駄な時間を削減でき、医療費の節約にもなる、効率のよい医療が行えるようになります。このような医療サービスが行われることを目指して、最新の知識の獲得と医療サービス情報の収集を行っている専門医もいます。

 現在の診療科目の表示は自由ですが、医療法の改正により、専門医の常勤している医療機関のみ、専門医の表示ができるようになります。専門医の情報と設備に関しても知ることができるようになり、医療機関を選定できる情報が多くなると考えられます。

 「国立がんセンター等はとても紹介してもらえない」と考えている患者さんも多いと思いますが、きちんとした検査診断、紹介状を持っていけば、いつでも医療相談(セカンドオピニオン)に応じてもらえます。

 さらに詳しい情報は、がんセンターのホームページwww.ncc.go.jp/、当院のホームページwww6.ocn.ne.jp/~lajolla/をご覧ください。



(上毛新聞 2002年4月28日掲載)