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◎まず聞き上手になろう 「どうしたら話が上手になれますか」とよくきかれます。「話し上手は聞き上手」です。まず「聞き上手」になることを心がけましょう。自分が聞く立場になってみれば、上手な話し方というものがよく分かります。 「聞き上手」になるための三つの方法についてお話をしましょう。第一に話を聞くときの態度、第二に話のポイントのつかみ方、第三に話の展開のとらえ方です。 第一に、一対一で話を聞くときの態度が基本です。次の三つのことを心がけましょう。 (1)適度にうなずいたり、相づちを打って反応を示すこと(2)話の内容に心が動いたら、軽い驚きを声に表すこと(3)時には自分のことを少し話してから相手に話を返すこと。 初めはぎこちないでしょうが、実行しているうちにいつか自分らしい態度ができます。聞き手がよいと話し手も真剣に話してくれるので、いい話を聞くことができます。 第二に、話のポイントのつかみ方です。話には「ダレガ(ひと)・イツ(とき)・ドコデ(ところ)・ドンナ(ようす)・ナニヲ(対象)・ドウ(手段)・ドウスル(行動)・ナゼ(理由)」の八つの要素があります。「ダイ・ドドナ・ドドナ」と省略してしまえば、簡単に覚えられます。これらのポイントを聞きのがさないようにしましょう。 また、この八つの要素は質問項目としても使えます。これらのポイントが語られたかどうかで質問の内容が決まります。たとえば、「山田君が日曜日に赤城山へ行った」という話は「ダレガ―山田君、イツ―日曜日、ドコデ―赤城山、ドウスル―行った」となります。落ちている「ドンナ」「ナゼ」が質問すべき点になります。 第三に、ツナギのことばに注目することです。話の展開する交差点で、進行方向を示すのがツナギのことばです。おシャベリで目立つのは「そして」「それから」ですが、重要なのは「たとえば」と「なぜなら」です。「たとえば」の後には具体例が続きます。「わたしは甘いものが好きです。たとえばようかんなら一本食べられます」。例が先なら「私はようかんなら一本食べられます。つまり甘いものが好きなのです」と「つまり」になります。 「なぜなら」に続くのは理由です。「私はノートを買った。なぜなら母に頼まれたからだ」。理由が先なら「わたしは母に頼まれた。だからノートを買った」と「だから」です。「…ので」「…から」でまとめて一つの文にすることもあります。このほかに、話を並べる「また」、話題転換の「さて」、予想が外れる「しかし」などがあります。 聞き方の練習は、本を読む時にもできます。「ダイ・ドドナ・ドドナ」の項目には丸や線をつけて、ツナギのことばは四角で囲むのです。本の内容がよく分かります。そして、話を聞くときにも、話が見えるようになってきます。ぜひ実行してみてください。 (上毛新聞 2002年4月18日掲載) |