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◎過疎地域の理解に一役 今どき、どんな事業体でもホームページを持たないようでは、時代の流れについていけないで失速してしまう。ところが、わが過疎連盟は、零細な事業体でもあり、二年前まではパソコンも備わっていないというありさまだった。 その当時、過疎地域の振興を図るための過疎法は期限切れが迫っていて、新しい過疎法の制定運動を進めていたが、関係する中央省庁や地方自治体から「過疎連盟にはメール一つ送ることもできず、制定運動のパートナーとしての資質に欠ける」などと、苦情が寄せられる始末だった。ここに至って、今まで渋っていた経理担当者も折れて、待望のパソコンが配置されたような次第であった。 その新過疎法も平成十二年四月から施行され、過疎地域では新たな過疎対策に取り組むことができるようになったが、過疎連盟の次のテーマはもちろん、ホームページをつくることであった。ページそのものの作成は専門の業者にお願いするとしても、作る立場からのホームページのメカニズムが全く分からない。 そこで『超カンタン!ホームページ作成教室』なる参考書と首っ引きでにわか勉強となり、Webページ記述言語のHTMLとは何かから始まって、簡単な我流ページを作ったりしたが、そのうちにグラフィックソフトや素材集まで備えて楽しんでしまった。 次はドメイン名の取得であるが、これも自分でやってみた。ドメイン名は、さんざん迷った揚げ句、過疎地域共通の情報発信を表現するのに最もシンプルかなと思い「kaso―net」と決めてJPNICに申請。要件を満たすのに四苦八苦したが、何とかクリアすることができた。ちなみに、愛称はちょっと気取って「過疎物語」とした。 問題は内容である。まず過疎地域とはどういうところなのか、分かりやすく理解していただくこと、そして過疎地域に興味を持つ人のニーズにこたえ得るものであること、この二点に徹底することにした。そんなこんなで、年も押し詰まった仕事納めの十二月二十八日に晴れてオープンしたのであった。 それぞれのページは、ご覧いただいた方のご批判をいただくこととして、オープンして一年と十一日目に当たるこの一月七日には、一万のアクセス数を達成し、NHK教育テレビの番組に対応したホームページに教材としてリンクされたり、ニフティなどで「過疎」と検索するとトップに表示されるようにもなった。 専門家によると、この種の“堅物”にしてはまあまあの成績ではないかとのこと。ユーザーは、一般の個人をはじめ、マスコミ関係や各種の会社が多く、全国各地の大学からのアクセスも目立つ。 私ごとき年寄りは、IT革命などと言われると近寄り難いが、全く何も知らなくても、その中に飛び込んでいけば何とかなるな、という感慨を持ったのである。ついでに言えば、お年寄りが根を詰めてパソコンを見過ぎ、目を悪くする例が多いとのこと。気をつけましょう。 (上毛新聞 2002年3月6日掲載) |