 |
|
|
 |
|
|
小児の事故・窒息 |
|
|
|
|
|
ピーナッツを食べていた子供が、突然咳をしてゼイゼイ・ヒューヒューと音がし、顔色が悪く、苦しそうに呼吸をしているような場合は、ノドや気管にピーナッツが詰まったと考えられます。
こんな時、まずすることは、背中をドンと強く叩いてつかえている物を出します。大人が立て膝をし、その上に子供をうつ伏せにさせ、背中を叩いてもいいでしょう。ピーナッツ類は一度気道に入ってしまうと、間もなく水分を吸収して膨らみ、自然に出ることはまれで、また含まれている油の刺激で肺炎を起こしますから、注意が必要です。ピーナッツが原因とわかれば手術が必要となり、全身麻酔をかけるなど処置はたいへんです。
この予防対策はピーナッツ類や口に入れるもので尖ったものに用心することです。日常の食習慣にも問題があります。何か物を食べている時は、びっくりさせない。仰向けの姿勢で食べさせない。自動車の中では食べさせない。幼い子では立ち食いも危険です。 |
 |
お祭りで転んで、綿アメの割りばしが喉から脳まで達し、死亡したという例もあります。串団子なども同様ですが、串をノドの方向に向けないよう指導して下さい。子どもに「尖ったものは人に向けてはいけません」というマナーを教えて下さい。
ピーナッツなどの豆や豆菓子類は、少なくとも3歳を過ぎるまでは与えないようにしましょう。とくに空中に食べ物を放り投げて、口で受け止めて食べるなど、子供が真似をすると危険なことを、大人自身がしないことです。
味噌汁の具に使うワカメなどは、よく刻んでから与えましょう。長いままのワカメで窒息した例があります。ワカメのように、つるっと飲める物は、そのまま気道へ入ってしまう危険があるということを忘れないで下さい。コンニャク・ゼリーも同じです。 |
 |
食べ物以外では、ビニール袋、安全ピンなども要注意です。ビニール袋を頭からすっぽりかぶって窒息したり、安全ピンが気管に刺さってしまった例があります。公園のジャングルジムや「うんてい」などで遊ばせる時は、縄跳びなどの縄を持ち込ませないで下さい。首に巻き付いて死亡した例があります。カバンなどの肩掛けヒモにも注意が必要です。
子どもは危険を予測できません。周囲の状況を判断する能力も十分でなく、何かに夢中になっている子どもは、まわりが見えていないと考えた方がよいのです。
こどもの不慮の事故は、1歳以上の子どもの死亡原因の第1位を占めています。 |
2000年7月 |
 |