「愛の募金」の歩み
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「愛の募金」の歩み  「上毛新聞百年史より」

 戦後の混乱が続く昭和21年11月17日付上毛新聞は、「越冬同胞へ援護資金」というタイトルで、次のように県民に募金を呼びかけた。住むに家なく、飢えに泣く人々が巷にあふれる時代だった。
 『こうした人達の上に思いをはせた時、任侠を以って鳴る我等群馬県民の血は同胞援助を叫ばずにはいられぬ。今回本社が群馬県当局と提携し「越冬同胞援助運動」の一環としてその資金の募集を開始するに至ったのも、やむにやまれぬ群馬県民としての心の現れである。』
 こうして、戦後いち早く始められた歳末助け合い運動は、昭和46年まで続けられたが、この運動をさらに発展させ、年間を通じて実施する「愛の募金運動」とすることを提唱した。

 昭和46年12月20日、県内有職者で構成された13人による「愛の募金」委員会が開かれ、20日までの募金総額364万4362円について(1)民間施設を主体とする(2)特殊な例として公共施設も2、3ふくめる(3)交通遺児については善意銀行の基金に加え、高校在学家庭の修学資金の一部とする一の方針のもとに配分を決め、25日、県庁で開かれた配分式で施設関係者に手渡された。
 県民の温かい善意に支えられた「愛の募金運動」も昭和61年度で16年目を迎え、これまでの募金総額は4億64万717円(60年末現在)を数えた。
 また、社会福祉のニーズの変化から、57年度分からは、募金の一部を、障害者用福祉バス「愛の募金号」として贈っている。契機は58年10月に「愛のあかぎ大会」が国体に合わせて開かれるのに、県内に障害者用バスがなかったため、57年度は県社会福祉協議会へ、その後県社会福祉事業団、高崎市、太田市と、計4台が贈られた。

 61年11月には、創刊100周年を記念して、財団法人上毛新聞厚生福祉事業団が設立された。これにより上毛新聞社を主体とする福祉活動はさらに飛躍発展することとなった。
 いままで本社で提唱し、実施されてきた「愛の募金運動」を主体に、チャリティー色紙展、名士芸能の夕べなど各種の福祉活動を展開する。また長年にわたって社会福祉の向上に貢献した個人、団体を表彰する「上毛社会賞」の事業を行う。
 基本財産として3,000万円を上毛新聞社が同財団に寄付した。

沿  革
1971年(昭和46年) 7月13日に「愛の募金」委員会を設立
1986年(昭和61年) 上毛新聞社創刊100周年を記念して、社会福祉事業を充実するため10月30日に財団法人上毛新聞厚生福祉事業団を設立し寄附行為を制定
2002年(平成14年) 新基準に適合するため寄附行為を変更
理事、評議員構成を各9人に。監事2人
「愛の募金」配分は3月と12月の2回に分けていたが、12月から一括配分を実施
2003年(平成15年) ホームページを開設
2013年(平成25年) 公益財団法人に移行


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